『ビジネス敬語(用語)』とは?

■『ビジネス敬語(用語)』とは?

ビジネス敬語(用語)は仕事相手との良好な関係を作り維持し、 仕事を円滑に進める為に使用するものです。
「ビジネス」として、「適切なきちんとした距離を置くために」活用する必要があるのです。


「敬語(尊敬・謙遜・丁寧)」 だけではなく、「ビジネス敬語(用語)」はなぜ必要?

敬語と同じく、「敬語とは、敬意をもって接します」という意味合いもあります。
では、敬語(尊敬・謙遜・丁寧)だけでいいのではと思うでしょう。
日常敬語は、場面や立場や相手によって使用しますが、ビジネスでは「関係性を築き、表現すること」が重要となってきます。

例えば、プライベートでは「~はどうしますか?」と目上の方に尋ねると思いますが、 ビジネスの世界では「~はいかがなさいますか?」と尋ねます。 敬意を示しているだけではなく、「柔らかい印象」も与えられることができますね。
これが「ビジネス敬語(用語)」です。敬語はビジネスの現場における基本的言葉遣いです。

では、どのような「ビジネス敬語」があるのか見てみましょう。


■ビジネス用語─よく使われるビジネス敬語(自称・他称編)

区別 自分側(自称) 相手側(他称)
本人 わたし、私、小生、小職 あなた、**様、貴殿、
貴職、貴兄、貴姉、先生
人、役職 当社長、弊社長、
当社部長の○○、
弊店主、当主
貴殿、貴台、
尊台、貴社長、
部長○○様、貴店主
上役 上司、社長 御上司、貴社長殿
部下 当課**、**(姓名のみ) **様、**氏、
複数人 一同、両名、私共 ご一同様、ご一同、
お二方、各位
団体 当協会、本会 貴会、貴協会
社員 弊社社員、弊店員、弊行員 貴社員、貴店員、貴行員
友人 友人 ご友人、ご令友
父親 父、実父、義父 お父上、ご尊父様
母親 母、実母、義母 お母上、ご母堂様
夫、主人、氏名のみ ご主人、ご夫君、
氏名(様)
妻、家内 奥様、奥方様、ご令室様
親族 親族一同、一族、近親 ご親族方、ご一門様、
ご近親様
息子 息子 お子様、お子様方、
ご子息様、ご令息様
お子様、お子様方、
お嬢様、ご令嬢様
会社 小社、 支店、社(行、店)、
弊社、当社(当行、当店)(*1)、
*1:「当社」は相手と同等に近いとき、「弊社」は最もへり下った表現
貴社、御社、貴行、
貴店、貴支社、
貴支店、貴出張所
商店 当店、小店、弊店、弊舗 貴店、貴商店、御店
銀行 当行、本行 貴行
学校 当校、本校、わが校 貴校、御校、貴大学
小宅、拙宅、私宅 貴宅、尊宅、貴家、貴邸
場所 当地、当地方、当所、
当県(市、町)、こちら
御地、貴地、
貴地方、貴県(市、町)、
そちら(様)
官庁 当省、当庁、当所 貴省、貴庁、貴所
品物 粗品、寸志、薄謝、心ばかりの品 佳品、結構な品、
ご厚志、ご厚志の品、
お心づくしの品
考え、意見 私見、私案、私考、所感、
所見、愚考、愚案、愚見
ご意見、ご高説、貴見、
ご賢察、お説、
お申し越し、ご高見、
ご卓説、貴案、貴意
配慮 配慮、留意 ご配慮、ご高配、
お引き立て、ご容赦、
ご了承、ご尽力、
ご芳情、ご厚情
努力 微力 ご尽力
気持ち 微志、卑志、薄志 ご高配、ご芳情、
ご芳志、ご厚志
宴会 小宴 ご盛宴
氏名 氏名、名 ご芳名、ご貴名
手紙など 書面、書中、 弊信、
手紙、拙著、書簡、
ご書面、貴書、貴信、
お手紙、ご著作、ご書簡、
ご書状、お便り
受け取ること 受領、受納、拝受、入手 ご査収、お納め、
ご領収、お受け取り、
ご一覧、ご高覧
送ること 送付 ご送付
訪問すること お伺い、お訪ね、 ご訪問、
参上、 拝顔、拝眉、
出席、参加、列席
お越し、おいで、
お立ち寄り、ご来社、
ご来訪、ご来席、ご出席、
ご参加、ご列席、ご参列

 

■ビジネス用語─よく使われるビジネス敬語(単語編)

プライベート ビジネス敬語
だれ どなた様、どちら様
あの人 あの方、あちら様
○○(呼び捨て)、
○○ちゃん・くん
社内)○○部長、○○さん
社外)部長の○○、○○(呼び捨て)
今度 このたび
もうすぐ 間もなく
前に 以前
さっき 先ほど
後で 後ほど
すぐ ただいま、
さっそくですが
今日 ほんじつ
昨日 さくじつ
明日 みょうにち
あっち あちら
そっち そちら
こっち こちら
へえ、うん(相槌) はい、ええ、左様でございますか

■ビジネス用語─よく使われるビジネス敬語(文章編)

プライベート ビジネス敬語
お疲れ様 お疲れ様です、
ご苦労様です(*2)
どうしますか いかがなさいますか、
いかがでしょうか
いいですか よろしいでしょうか
すみません(謝罪)、
ごめん
申し訳ございません
すみません(声をかける) 恐れ入りますが
できません、
やれません
いたしかねます、
出来かねます
知りません 存じ上げません、
わかりかねます
わかりました、
了解
かしこまりました、
承知いたしました、
了解いたしました(*3)
ちょっと待って 少々お待ちください
お待たせ お待たせいたしました
悪いんだけど 恐縮ですが、
お手数ですが
すみません(感謝)、
どうも、ありがと
ありがとうございます、
ありがとうございました
○○に行ってる 席をはずしております
いただきます 頂戴いたします
何のようですか 何のご用件でしょうか
こちらに
きてくれませんか
こちらにお越しいただけますか
繰り返します 復唱いたします
ちょっと待ってください 少々お待ちいただけますか
もう一度きてください もう一度お越しいただけますか
電話の声が聞こえません 少々お電話が遠いようでございます
分かりましたか お分かりいただけましたでしょうか
電話します お電話いたします
私が聞きます 私がお伺い致します
そうです 左様でございます
やめてください ご遠慮願います

*2:「ご苦労様」は、「自分のためにやってくれた仕事」をしている人に対して使われる言葉なので、使い方に注意しましょう。
*3:「了解」は尊敬が含まれていないため、「いたしました」で尊敬を補うという考え方や、「了解」は目上の人に使わなければ使用できるという考え方など、さまざまなとらえ方があるので、会社の風習に従いましょう。


「ビジネス敬語(用語)」はいかがでしたでしょうか。
すでに使用しているビジネス敬語もたくさんあったのではないでしょうか。

言葉遣いは、『心遣い』

大切なのは、

相手を敬う気持ちを持つという心構え

にあることを忘れてはなりません。


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